2016年9月30日金曜日

La Fille mal gardée@Royal Opera House

先日、人生2回目のBalletをRoyal Opera Houseにみにいってきました。ほぼ満席でした。




ROH Studentsに登録しておくと学生ならではの特典があり、£100するパフォーマンスが£15以下で鑑賞できます。登録は学生しかできないですが、同伴は学生でなくとも大丈夫。今回は友達が登録していたので誘ってもらい一緒に行ってきました。早く予約しないとチケットの競争率高いらしいです。

La Fille mal gardéeというパフォーマンスでした。前回鑑賞したFrankensteinより話の展開がゆっくりだし場面転換も少ないので純粋に「踊りや演出を楽しむ」という感じでした。フランス にて1789年年にオリジナルのお話が制作されたらしいです。

農村に住むLiseが未亡人のお母さんのSimoneによりお金持ちのワイン農場主の息子Alainに結婚させられそうになるが、ずっと両思いだった一農家のColasとの愛を貫き、最後はLiseとColasが結婚するお話です。

今回はコスチュームがすごく可愛かった!デザインは微妙に違うのだけど、それでも統一感はあって世界観がよく作られていました。フランスの1700年代の農村ってこんな感じなのかなぁ?と想像が膨らみました、なんかとっても平和。

あとは毎回ながら舞台演出に驚かされます。場面切り替えの工夫や、踊りの中の小道具の使い方、特に今回はリボンをよく使っていたのですが何本のリボンを踊りながら絡ませてタペストリーのような模様を作ったり。踊りの中に小さい工夫が凝らされてました。あういう着想ってどのように浮かんでくるのだろう、想像力がすごいなぁ。。

キャラクターをどう表現するか?が本当に面白い。前回も書きましたがBalletは話さないので踊り、衣装、メイク、音楽の組み合わせが命。Liseは天真爛漫さ、素直さが踊りでよく表現されていました。あとは何と言ってもAlainとSimoneが個性豊かで最高だった!メイクでAlainのひょうきんさ、Simoneの強いママ像が良く表されていましたが、踊りはもちろん歩く動作一つ一つも細かに気が配られていていました。役になりきっている感じ。

また観に行きたいな。



インターンプロジェクトを通して学んだこと

インド文化については別ブログに書いたので、こちらはTCSRD (Tata Chmicals Society for Rural Dvelopment)のインターンプロジェクトにフォーカスして書きます。

最終アウトプットはプレゼンテーションとレポートでした。自分なりには時間の制限がある中で満足いく形で終えました。最初にTCSRDにもらった情報に明らに価値のある情報を付加できました。何よりも現場のプロジェクト担当者と責任者から「今後のプロジェクトを進めていく上で非常に参考になる。プレゼン資料をメールアドレスに送ってほしい」と言われたのが嬉しかった。

前職で培ってきた能力も多いですが、やはり大切だと再認識した能力。2年生のDissertationを書く前の良い経験にもなりました。

◎ オフィス内のコミュニケーション
「何を誰に聞けばいいのか」を一早く把握できることがその後の仕事の進めやすさを左右します。大まかな方向性はProject guide、どのように調査を進めればいいかはDepartment Boss、日々の質問はColleague、土壌や肥料についてはOther colleague in other departmentsというように。これは最初に教えてもらえる訳ではないので、自分で人間関係を切り開いていく力が非常に必要。

あとは「どの時点で誰にどの情報を共有しておけばいいのか?」もコミュニケーションの食い違いを無くすために必要なこと。これはOffice Politicsも多少含みますが、許可を取るときに誰を通すのが筋なのか?報告はどの順番ですべきか?等々。

◎ くらいつく力
とにかく分からなければ聴きまくること、遠慮しないこと。図々しさと情熱(一生懸命さ)を併せ持つことは大事。熱意を伝えるために「どうやって質問を聞くか、どうやったら相手が質問を気持ち良く答えてくれるか」はかなり重要な気がします。

◎ クリアにするコミュニケーション力
相手との誤解をなくすためにどのようなコミュニケーションが有効か。相手も英語の会話が不自由なことがあったので私は文字におこすように努めました。OutlineやIntroductionを完成させて上司に見せたりしていました。目的意識、アプローチの道筋、前提条件の理解さえ大きくずれていなければ、悲惨な結果にはならないはず。

◎ 背景知識の理解
農業や堆肥の話は私にとっては新しいトピックでした。なので話していても疑問が浮かぶことは多少あったけれど、インターン前に堆肥に関する日本語の本2冊と、トピックに関する記事等を読み背景知識をいれたので、期間中はそのバックグラウンド理解に時間をとられすぎることはなかった。背景知識の理解をインターンで始めていたら時間なかった。

◎ タイムマネジメント
正直自分のアウトプットやプロセスを管理してくれる人はいなかったので、サボらないように自分を律することが非常に難しかった。私は最初の週に直属の上司に毎週ミーティングをしたいと申し入れたのでそれが自分の良いペースメーカーになった。あとはフィールドVisitの約束をしても延期されることが頻繁にあるのでタイトな予定は立てないこと。あとに余裕をたくさん作っておく。

◎ ビジネスと学問の融合
学問は自分の主張の信憑性が非常に大事。すべての主張についてcreditを見つけることが必須だけど、ビジネスは細かすぎることにとらわれずに、ざっくりとマクロの状況を把握する大きな鳥の目をもつことも重要。LSEで学問にどっぷり浸かっていた私には最初このバランスをとることが難しかったです。私はLSEの教授や日本の分野に詳しい知り合いにスカイプでアウトプットを見てもらったりして、そのバランスを保ちました。

インドまみれになって分かったインドの魅力

インドから帰ってきて約3週間半。

ここ1ヶ月間はインターンプロジェクトのまとめ、ロンドンでも家探し、学期始まりでバタバタしていました。でもここでインドをまとめないと流れそうなので内容粗いですが書き残します。


もちろん楽しいことばかりではなかったけど、それでも「楽しかった、行って良かった!」と心から言えます。もし将来このインターン参加したい人いたら全力でおすすめします。

日本の方が良いと思える部分はもちろん沢山あったけど、インドの方が魅力的なところも沢山あった。インターンプロジェクトで学んだことは別に書くので、ここではインドのカルチャーにフォーカスして書きます。

◎ 受容力が高い
動物が一緒に住んでいた。人間に囲われて住んでいるのではなく、人間と対等に住んでました。なので牛、孔雀、水牛、犬等々が普通に道路歩いていて、車は彼らが横断するのを待って道路を渡ります。別にそのときにイライラするわけでもなくそれが日常。

◎ 包容力がある
私たちはタタグループを通したインターン生だったからかもしれないけど、娘や友達のように、会社の人間関係を超えて接してくれた様な気がしてます。休日は日帰り旅行に行ったり、家のご飯に招いてもらい家族ぐるみで接したり。

言葉が通じなくとも話しかけてくれたし、イベントに誘ってくれた。もちろんイベント中に放っておかれることもしばしばあったけど、気を遣われすぎない関係、遣いすぎない関係は長期滞在ではコツかも。

◎ 時間の流れがゆったり
IST (Indian Standard Time or Indian Stretching Time)と教えられました笑。日本が高度経済成長で失ったものは「時間」と聞いたことがあるけど、何となくわかる気がした。

集合時間の15分遅れは普通だし、夕飯に招かれた時間に行くと夕飯始まるの1時間半あとだし、上司とミーティングの度に3時間ぐらい雑談をしたし、視察に行くと大体chaiの時間があるし、数えれば事例はいくらでも浮かびます。

もちろん計画した通りにコトが進まない弊害はあるけど、皆がそれを考慮していれば問題ないかなと。

むしろこういう小さい時間から生まれる会話から得られること、親密な関係は大事。そして皆が何よりそのゆったりした時間軸で楽しそう、健康そう。この中で一人だけイライラする意味もないですしね。Businessだと見方はまた変わるかもしれないですが。

◎ 均質化していない社会
主に富の格差に現れるのだけど、同じRegionの中でびっくりするぐらい住環境の違いを見た。

ムンバイは特にすごい。International空港の煌びやかな装飾をみたあとに、スラムで布と木で出来た簡易の家に住んでいる家族をみると、瞬時に状況を理解できない自分がいました。そこに住んでいる子供は下半身裸で裸足で歩いていたりしています。

どうしてお金を空港の装飾に使ってしまったのだろう?教育や産業育成の方が優先順位高くないか??と悶々と思う自分。でも空港は海外への玄関口だから整備することは人・物の経済物流を活発にするインパクトもあるのか?国の財政の予算配分は本当に興味深い。

でもそれと同時にインドの底力を見た気もした。これだけの貧しい人がいるってことは、これだけ将来豊かな人が生まれる可能性もあるということ。その時のインドはどれだけの力を持っているのだろうか。 

帰国後にインドの友達とこの話題を話した時に彼はインドは工業革命、農業革命(いわゆる緑の革命)、テクノロジー強化を順次に政策として実行していて、確実に経済状況や生活水準はあがっている。今はそのプロセスとして捉えており、長期的にしか実現し得ず時間がかかるとのこと。なのでこの状況がずっと続いており政府に絶望しているわけではなさそう。(彼は少し裕福な家なのでバイアスは多少ありかも)

◎ 日本への印象
これはおまけ。海外に出ると本当に不思議ですが、国内は日本に対して憂鬱な見方だけど、国外での評価は案外高いのが日本。

上司に言われたのは第二次世界対戦で原爆を落とされ敗戦したが、今は見事に経済発展を遂げ国際舞台で重要な役割を担っていることは素晴らしい。タタグループの発電所の開発等を日本に技術協力してもらっているとのこと。

あとは文化(食文化や芸術等)をしっかり守っている印象があるらしい。ポーランド出身のアレクサンドラにも日本はテクノロジー大国ですごいね、Innovativeなこと好きだよね!(ポーランドはカトリックの宗教が政治に大きな影響を及ぼし非常に保守的とのこと)と言われた。

灯台下暗しで日本の魅力を当たり前に思っている自分と、自分が知っている日本は本当に一部分なのだなぁと改めて感じました。こういう日本が誇れるものにもっとアンテナ張っていきたいし、こういう風に言ってもらえる日本がますます好きになりました。

心霊体験@Lonavala, India

前回に続きLonavalaにてあるホテルに泊まった時のこと。(余談ですが、このホテルは枕とシーツが人の脂くさくて、しかも枕の下に誰かの髪の毛が何本もあって最悪でした。)

端的にいうと金縛りに3回も会いました。

そのうちの1回はリアルに両手で肩を抑えられている感覚があり「Listen to me」と聞こえた。わたしは霊感はないと思っていたので、自分の脳が作り出している幻覚なのかなと思ったけれど、さすがに怖くなって、いつもなら金縛りにあっても無理に体を動かそうとしないけれど、その時ばかりは体を動かそうと必死になりました。身体をふぅーとゆるめて体内にパワーをためて一気に爆発させました。足だけは解放されたと思ったらまたすぐ金縛りにあうということを繰り返してました。

アレクサンドラがすやすやと横で寝ているのを見て助けを求めようとしたけれど、声を出すこともできない。ようやく絞りだした声が「あぁ。。」という短い声で無力感を感じました。

しかも金縛りの最中にアレクサンドラの足元にぼやーっと男の人を見た気がして、本物なのか自分の脳が作り出している幻想なのかわからず何度も目を凝らしてみようとしました。

本物の男の人だったらアレクサンドラが危ないと思い、起き上がって戸の鍵がかかっているか確かめようとしたが身体が全く動かない。そういえばインドで夜中に掃除の人が来て怒ったという話をどこかで聞いたこともあり、掃除の人かもしれないと頭の片隅で考えたりもしていた。

とにかく男の人がぼやーっとしていたので自分の目がおかしいのかもしれないと思い、目を開けたり閉じたりを繰り返しているうちに、カーテンしか見えなくなり、結局カーテンだったのだと自分なりに解釈した。

そのあとはとくに何もなかったのですが、ロンドンに帰り姉に話したときに「絶対霊を見たんだよ、しかもインドならありそう」と言われ「はっ」とした。自分が今まで見たことないばかりにその可能性を排除していたのだけど、確かにそう解釈したほうが自然かもしれない。急にロンドンで背筋が凍る思いでした。 

怒るという感情:ぼったくりに直面して@India

Mithapurでのインターンも終わり最後2泊でアレクサンドラとLonavalaと旅した時のこと。Lonavala自体は非常に自然豊かな場所、ムンバイからバスで約2時間です。

Lohagad Fort


Karla Caves



また違ったインドを経験した旅行でした。要は何度も小さなトラブルに巻き込まれました笑。

1回目はLonavalaに行く長距離バスでのこと。バス到着地の案内は全てヒンディー語。よって私たちはバスの責任者に下車する場所を教えてもらわなければならないのですが、責任者が私たちに降りる場所を伝え忘れた(本人は、把握していた責任者が途中で下車してしまい知らされてなかったと言い張ったが)のです。バス乗車時に何度もLonavalaで降ろしてほしいと確認した私たちにとっては「!!!!」の出来事。それに気づいた時のアレクサンドラの怒りの爆発の仕方は見事。相手をまくしたてるように「怒り」、どうしたらいいのかを食ってかかる勢いで問い詰めたのです。

2回目はLonavalaに到着しオンラインで予約したホテルが見つからなかった時。落ちとしてはオンラインで公開していたホテルの名前がブランド名で実際の現地のホテルの名前とは違った。この交渉ではオンラインにのっていたホテルに何度も電話をかけ、同時に現地のホテルのスタッフと交渉することになりませした。1時間かかりました。この時は怒りというよりは、ややこしい事実を解きほぐす辛抱強さと、相手に都合の良いように言いくるめられない毅然とした態度が必要でした。

3回目はLonavalaでの観光のための1日タクシーを雇った時のこと。契約は「2箇所を800Rsで連れて行ってくれる」というものだったのですが、最後になって「予想よりも時間がかかったからもう200Rs必要」と過剰請求されたのです。最初から制限時間を言われていなかった私たちには寝耳に水でした。しかもそれを証明する彼らの業務ポリシー等があるわけでもなく、「彼らの業務ポリシーなのか、ぼったくられているのか」判断する材料がありませんでした。200Rs自体は大したお金ではないですが、だまされているのでは?と思うとやすやす払いたくない私たち。その時のアレクサンドラの対応も見事だなぁと。「Listen」から始まり、なんで私たちが払いたくないかを滔々と説明した後、でも感謝はしているからと半額渡しました。

そして4回目。ムンバイに帰ってきた際にバスターミナルからホテルまでのタクシー。運賃+荷物代( 25Rs/1 luggage)を請求されたのです。これも寝耳に水。事前に言われていたわけでもないし、タクシーに書いてあるわけでもないし、彼らの業務ポリシーなのかが全く判断できない。しかもこのおじちゃんは、アレクサンドラがいない時に私にこそっと「ポケットマネー20Rs」としれっとせがんできたので、ますます信用なりませんでした笑。アレクサンドラと二人で「No」と言い張り、その理由も付け加え、この時は追加で一銭も払いませんでした。

交渉術というか、相手に言いくるめられない彼女の態度には学ぶことが沢山あった。「怒る」ということは良くない感情だと私の中で固定観念があったのですが、コミュニケーションが不自由な相手との場合はむしろ「怒」の感情をストレートに出さないと真剣さが伝わらないし舐められてしまうことが多い。

私なら面倒くさいトラブルを避けたい+不自由なお互いのコミュにケーション+インドの仕組みがよく分からない等々から、こういう交渉をさけてしまうかもしれません。そもそも「怒」の感情をどう発散するか忘れてしまっているかもしれない気もします。

でも、そうなると舐められ続けるので(上限がない)、労力を惜しまない交渉は大切なのでしょう。彼女とインターン中に話した時に「人に嘘をつくこと」は彼女の人生のポリシーに大きく反すると話していたので、そういう信念もあったのかもしれません。