You Tubeで山田洋次監督「母と暮らせば」(公式サイト:http://hahatokuraseba.jp/)の製作ドキュメンタリーを見ました。私はロンドンにいて映画自体は見れないので、あくまでドキュメンタリーを見ての感想です。このお話は長崎の原爆で死んだ息子が3年後に母親のもとに亡霊となって戻ってくる家族の物語をかいた映画です。
山田洋次監督といえば「男はつらいよ」でお馴染みで、私も小さい頃に「寅さん、寅さん」と言ってテレビの2時間放送の枠でよく見ていました。それ以外は恥ずかしながらあまり知らなかったのですが、ドキュメンタリーを見て生き様が「かっこいい」と思ってしまいました。
まず一つは「母と暮らせば」の製作を運命のように感じるとおっしゃっていたこと。「母と暮らせば」は友人でもあった作家、劇作家の故井上やすしさんの「父と暮らせば」のオマージュだそうです。故人のお嬢さんから「母と暮らせば」を製作したかった遺志を聞いて作ることを決断したそうです。監督自身も戦中を生きた一人として戦争を伝える使命をずっと感じていたそうです。
84歳になって使命だと感じる仕事に出会えることってあるんだ、という驚きと、とても幸せで光栄なことだなと羨ましく思いました。一方で84歳で舞い込んでくる本物の仕事は今までの業績を外から評価された結果で、おそらく今までの映画を魂込めて作られてきたのではと思いを馳せました。
二つ目は84歳という高齢で映画製作に臨む根気。「時代考証」と「想像力」にこだわっていました。まず戦中、戦後の人がどういう心情からどういう言葉を使ったのかを探るために大量の資料を読み込んだり、 戦争を生き延びた人に話を聞きにいったり、長崎へ足繁く通ったそうです。舞台装置や小物に関しても、当時の山田監督の記憶をもとにかなりこだわって作り上げていました。器が綺麗すぎるとか、大抵のゲートルは先輩から譲り受けたものだから綻びているはずだとか。
あとはキャラクターをつくるための「想像力」。モデルは戦時中にフィリピンで20代前半で戦死した詩人の方みたいです。その方が当時何をどう考えたのかは今となってはもう分からない、だから手がかりをもとに後はどれだけその人の心情を想像できるかだと言っていました。84歳で臨む根気に脱帽です。しかも84歳の方からの「想像力」を使えという言葉はとっても響きました。「想像力」って本来はコミュニケーションや仕事でもとても大切だと思うのですが、調べれば大抵のことが分かってしまう今、あまり想像力を日常から育んでいない気がしています。でも、その大切さに気付かされたことと、想像力は年齢関係なく鍛えられると叱咤激励を頂いたそんな気分になりました。
日本に帰ったら見に行きたいなぁと思ってます。すごく魂が込めてあるよう作品の様な気がしています。
2015年12月26日土曜日
2015年12月20日日曜日
学生寮での生活について
今日は将来LSEに進学を考えている人向けに書きます。
LSEにはウェブサイトによると14 寮あります(2015年12月現在)。タイプを大きく分けてみると、1. 大学生のみ 2. 大学院生のみ 3. 混合になります。寮によってシングルorシェア、単身用と家族用が選べます。
私はButler's Wharf Residenceというシングルのお部屋を借りました。部屋はシングル平均10㎡の中に、ベッドと机と棚1つ、クローゼット1つ、シンク1つという極めてシンプルな構造です。フロアには6人住んでいて、キッチン1つ、トイレ2つ、シャワールーム2つが共用です。掃除は週1回当番制にしています。
場所はタワーブリッジの近くで、最寄駅はLondon Bridge StationとTower Hillです。LSEまでは歩いて45分、電車で30分、バスで30分〜1時間です。私は日々の運動としてなるべく歩いて通っています。
1年間のAccommodation Feeは7226.50ポンド(水道光熱費、共益費込み)です。月約602ポンドです。イギリスの物価からみて格別に安い訳ではありませんが、リーズナブルな方に入ると思います。入居前にLSE寮以外の寮やAirBnBで月賃貸等を探したのですが、これよりリーズナブルな物件がなく最終的にBWに決めました。
寮でよかったと思うこと:
1. ご飯を一緒に食べる友達がいる
フロアメイトが5人いるので、キッチンで食べていると誰かが来ます。勉強や学校で疲れた時に他愛もない話をしながら友達とご飯を食べれるのは精神的にかなり救いになっています。ふざけた話から真面目な話まで色々と飛び交い、話し込む時は数時間話し込む時もあります。ただこれはフロアの雰囲気によるみたいです。各自部屋にご飯を持って行って食べるので会話をほとんどしないというフロアもあります。フロアメイトの性格によるところが大きいと思います。
2. ウォーキングが気持ち良い
LSEからBWまでの通学路はテムズ川沿いを歩きます。川沿いはおしゃれなレストランやバーが多く、建物も古くからの煉瓦造りで統一されているので歩くのが楽しいです。また風も心地よく吹くので気持ち良い運動になり、朝歩くと気分がリフレッシュされます。
3. イベントを誰かと祝える
寮主催のイベントがあるので参加すれば友達をつくれるし、イギリスらしさも味わると思います(ハロウェーンやクリスマス等々)。また私はフロアメイトとハロウィーンはパンプキンパイを作ったり、数ヶ月に一度Potluck Partyをしたり、誕生日会をしています。
寮で大変なこと
1. 掃除
どの寮でも問題になるみたいです。基本的に掃除は自分たちでするので、どこまできちんと掃除をするか、決めたとおりに掃除当番が機能するか等々、様々な問題が勃発します。最初を曖昧にするよりも、まず掃除当番等をきちんと決めて、定期的に集まりを開くのがいいと思います。掃除の仕方や気になった箇所は都度フロアメイト全員で相談して決めていくのが一番トラブルが少ない気がします。
2. 音のもれ
壁がすごい薄いわけではないですが、音はもれるので、神経質な人は少し大変かもしれません。スカイプで話していたりすると廊下にはほぼ丸聞こえです。
3. 人間関係
これはフロアメイト次第ですが、合わないと苦労するかもしれません。ほぼ毎日顔を合わせます。プライベートな住の空間に人間関係を持ち込みたくない人には寮暮らしは向いてないと思います。
ざっと思いついたままに書きましたが、私は寮でよかったと思ってます。
LSEにはウェブサイトによると14 寮あります(2015年12月現在)。タイプを大きく分けてみると、1. 大学生のみ 2. 大学院生のみ 3. 混合になります。寮によってシングルorシェア、単身用と家族用が選べます。
私はButler's Wharf Residenceというシングルのお部屋を借りました。部屋はシングル平均10㎡の中に、ベッドと机と棚1つ、クローゼット1つ、シンク1つという極めてシンプルな構造です。フロアには6人住んでいて、キッチン1つ、トイレ2つ、シャワールーム2つが共用です。掃除は週1回当番制にしています。
場所はタワーブリッジの近くで、最寄駅はLondon Bridge StationとTower Hillです。LSEまでは歩いて45分、電車で30分、バスで30分〜1時間です。私は日々の運動としてなるべく歩いて通っています。
1年間のAccommodation Feeは7226.50ポンド(水道光熱費、共益費込み)です。月約602ポンドです。イギリスの物価からみて格別に安い訳ではありませんが、リーズナブルな方に入ると思います。入居前にLSE寮以外の寮やAirBnBで月賃貸等を探したのですが、これよりリーズナブルな物件がなく最終的にBWに決めました。
寮でよかったと思うこと:
1. ご飯を一緒に食べる友達がいる
フロアメイトが5人いるので、キッチンで食べていると誰かが来ます。勉強や学校で疲れた時に他愛もない話をしながら友達とご飯を食べれるのは精神的にかなり救いになっています。ふざけた話から真面目な話まで色々と飛び交い、話し込む時は数時間話し込む時もあります。ただこれはフロアの雰囲気によるみたいです。各自部屋にご飯を持って行って食べるので会話をほとんどしないというフロアもあります。フロアメイトの性格によるところが大きいと思います。
2. ウォーキングが気持ち良い
LSEからBWまでの通学路はテムズ川沿いを歩きます。川沿いはおしゃれなレストランやバーが多く、建物も古くからの煉瓦造りで統一されているので歩くのが楽しいです。また風も心地よく吹くので気持ち良い運動になり、朝歩くと気分がリフレッシュされます。
3. イベントを誰かと祝える
寮主催のイベントがあるので参加すれば友達をつくれるし、イギリスらしさも味わると思います(ハロウェーンやクリスマス等々)。また私はフロアメイトとハロウィーンはパンプキンパイを作ったり、数ヶ月に一度Potluck Partyをしたり、誕生日会をしています。
寮で大変なこと
1. 掃除
どの寮でも問題になるみたいです。基本的に掃除は自分たちでするので、どこまできちんと掃除をするか、決めたとおりに掃除当番が機能するか等々、様々な問題が勃発します。最初を曖昧にするよりも、まず掃除当番等をきちんと決めて、定期的に集まりを開くのがいいと思います。掃除の仕方や気になった箇所は都度フロアメイト全員で相談して決めていくのが一番トラブルが少ない気がします。
2. 音のもれ
壁がすごい薄いわけではないですが、音はもれるので、神経質な人は少し大変かもしれません。スカイプで話していたりすると廊下にはほぼ丸聞こえです。
3. 人間関係
これはフロアメイト次第ですが、合わないと苦労するかもしれません。ほぼ毎日顔を合わせます。プライベートな住の空間に人間関係を持ち込みたくない人には寮暮らしは向いてないと思います。
ざっと思いついたままに書きましたが、私は寮でよかったと思ってます。
2015年12月18日金曜日
ブリュッセルに3泊4日で行ってきました
Michaelmas Termが12月11日で終了!あっと言う間でした。振り返りや授業内容は別途書くことにして、今回は記憶が新しいうちに12月13日〜16日で行ってきたベルギー旅行のことを少し。
LSEの友達が、4年間働いたベルギーを訪れるということで同行しました。全てブリュッセルに滞在。彼女の友達の家に泊めてもらいました。とても広く素敵な家で本当に感謝。ドアや階段は全て古そうな木で出来ていてほっこり。
○ ブリュッセルというまち
人口は約116万人(2014年)でベルギーの首都。ロンドンが817万(2011年)、東京都が1316万(2010年)であることを考慮すると小規模。EUの首都があり政治的色合いが強い。ヨーロッパ国際機関やそれに関連した会社が集まっています。私の友達は政治的イシューを扱うコンサルで働いていましたが、どの会議やイベントにいっても皆バックグラウンドが政策のプロフェッショナルで多様性が少ないとのことでした。公用語はフランス語とオランダ語ですが、8割強がフランス語話者だそうです。ただ英語も不自由なく通じました。
私は今回2回目だったので、観光には2日しか使いませんでしたが、実際数日で十分なくらい小さなまちです。治安はメインストリートはずれると人気がなくなり、絡んでくる人が多いので、少し注意が必要。
○ 食事
食事は最高、ロンドンに比べると圧倒的にコストパフォーマンスいいです。10ユーロだせば(1ユーロ=約130円で換算)、お腹いっぱいの朝ごはんが食べられます。ブランチでいったお店は20ユーロでバゲット、クロワッサン、チーズやサラミサラダの盛り合わせ、フルーツボール、コーヒー、オレンジジュースが付いてました。パンやデザートがどれも美味しい。チーズの豪快な盛り方も最高。
○ 人々とライフスタイル
EUの首都ということもあり、仕事場では国籍様々の印象。友達の元同僚7人と会いましたが、ベルギー人は一人。あとはイタリア、フランス、ドイツ、オランダ等でした。仕事の場で会ってませんが、とにかく気さくで仲が良い(休日にランチ一緒にしたり、友達の家でワイン何本も飲んだり)。友達曰く、皆ホームからアウェイなので仕事仲間で自然と仲良くなるということでしたが、フラットに冗談を言い笑いあっている自然体の姿はとても素敵でした。
全体のスピードはスロー。人が歩くスピード、カフェでのサービス等々Easy Going。友達から聞いて面白いと思ったのは、ファーストチェーンでないカフェではTake Awayのコーヒーをサーブしないとのこと。基本的にカップで飲む。カフェはゆったりとする場所であると。確かにカフェでは一人で背もたれによりかかって読書したり友達と語らったりしている人が多かったです。この雰囲気はロンドンでは中々見れない光景。私は大好きですが、せっかちな人には少しつらいまちかもしれません。
LSEの友達が、4年間働いたベルギーを訪れるということで同行しました。全てブリュッセルに滞在。彼女の友達の家に泊めてもらいました。とても広く素敵な家で本当に感謝。ドアや階段は全て古そうな木で出来ていてほっこり。
○ ブリュッセルというまち
人口は約116万人(2014年)でベルギーの首都。ロンドンが817万(2011年)、東京都が1316万(2010年)であることを考慮すると小規模。EUの首都があり政治的色合いが強い。ヨーロッパ国際機関やそれに関連した会社が集まっています。私の友達は政治的イシューを扱うコンサルで働いていましたが、どの会議やイベントにいっても皆バックグラウンドが政策のプロフェッショナルで多様性が少ないとのことでした。公用語はフランス語とオランダ語ですが、8割強がフランス語話者だそうです。ただ英語も不自由なく通じました。
私は今回2回目だったので、観光には2日しか使いませんでしたが、実際数日で十分なくらい小さなまちです。治安はメインストリートはずれると人気がなくなり、絡んでくる人が多いので、少し注意が必要。
○ 食事
食事は最高、ロンドンに比べると圧倒的にコストパフォーマンスいいです。10ユーロだせば(1ユーロ=約130円で換算)、お腹いっぱいの朝ごはんが食べられます。ブランチでいったお店は20ユーロでバゲット、クロワッサン、チーズやサラミサラダの盛り合わせ、フルーツボール、コーヒー、オレンジジュースが付いてました。パンやデザートがどれも美味しい。チーズの豪快な盛り方も最高。
○ 人々とライフスタイル
EUの首都ということもあり、仕事場では国籍様々の印象。友達の元同僚7人と会いましたが、ベルギー人は一人。あとはイタリア、フランス、ドイツ、オランダ等でした。仕事の場で会ってませんが、とにかく気さくで仲が良い(休日にランチ一緒にしたり、友達の家でワイン何本も飲んだり)。友達曰く、皆ホームからアウェイなので仕事仲間で自然と仲良くなるということでしたが、フラットに冗談を言い笑いあっている自然体の姿はとても素敵でした。
全体のスピードはスロー。人が歩くスピード、カフェでのサービス等々Easy Going。友達から聞いて面白いと思ったのは、ファーストチェーンでないカフェではTake Awayのコーヒーをサーブしないとのこと。基本的にカップで飲む。カフェはゆったりとする場所であると。確かにカフェでは一人で背もたれによりかかって読書したり友達と語らったりしている人が多かったです。この雰囲気はロンドンでは中々見れない光景。私は大好きですが、せっかちな人には少しつらいまちかもしれません。
The Curious Incident Of The Dog In The Night-Timeを鑑賞して
11月から多くのプレゼンとエッセイが立て込み、友達や家族が遊びに来てくれたこともあり、ブログからすっかり離れてしまいました。気軽に更新する習慣をつけたいです。
今日はLeicester Square近くのGielgud TheatreでThe Curious Incident Of The Dog In The Night-Timeを見てきました。本が原作で、それをプレイにアレンジしたようです。友達曰くかなり原作に忠実のようです。
内容は、とても頭が良いのだけど人とのコミュニケーションが苦手で社会に適合できない少年の話。彼の身の周りに起こったことを、彼自身が日記風に書いたお話です。
お話自体もすごく面白かったけど、演出方法が特に興味深かったです。
舞台が側面含めて全て電子パネルになっていたので、その場その場にあった雰囲気を作りだします。例えば彼が混乱しているシーンはまるで彼の頭の中のカオスを映し出したように、ランダムな数字が湧き出したり(彼は数学が得意な設定)。ロンドンの地下鉄の雑踏とした雰囲気はランダムな英単語が四方八方から猛スピードで飛び交うことで見事に表現されていました。舞台装置を作り替えずとも、電子パネル、人、小道具で全ての演出が可能になってました。
もう一つ驚かされたのは人のつくる曲線の動きが美しく多様だったこと。例えば人が海に浮いたり潜ったりするシーンは、一人の人を数人で担ぎ上げ、波の揺れを高低差を上手くつくって表現したり、もぐるシーンでは上に担がれている人が宙返りをしたり。滑らかな動きに惚れ惚れしました。
今までライオンキングとオペラ座の怪人をロンドンでは見に行きました。演出の豪華度は二つに比べると劣るけど、話自体が面白いのと演出がモダンアートぽく工夫が凝らされているので見応えはあります。値段面では、ライオンキングやオペラ座の怪人は60ポンド〜70ポンド、今回のThe Curious Incident Of The Dog In The Night-Timeは15ポンドとお得。ロンドンにいるうちに足繁く通いたです。
今日はLeicester Square近くのGielgud TheatreでThe Curious Incident Of The Dog In The Night-Timeを見てきました。本が原作で、それをプレイにアレンジしたようです。友達曰くかなり原作に忠実のようです。
内容は、とても頭が良いのだけど人とのコミュニケーションが苦手で社会に適合できない少年の話。彼の身の周りに起こったことを、彼自身が日記風に書いたお話です。
お話自体もすごく面白かったけど、演出方法が特に興味深かったです。
舞台が側面含めて全て電子パネルになっていたので、その場その場にあった雰囲気を作りだします。例えば彼が混乱しているシーンはまるで彼の頭の中のカオスを映し出したように、ランダムな数字が湧き出したり(彼は数学が得意な設定)。ロンドンの地下鉄の雑踏とした雰囲気はランダムな英単語が四方八方から猛スピードで飛び交うことで見事に表現されていました。舞台装置を作り替えずとも、電子パネル、人、小道具で全ての演出が可能になってました。
もう一つ驚かされたのは人のつくる曲線の動きが美しく多様だったこと。例えば人が海に浮いたり潜ったりするシーンは、一人の人を数人で担ぎ上げ、波の揺れを高低差を上手くつくって表現したり、もぐるシーンでは上に担がれている人が宙返りをしたり。滑らかな動きに惚れ惚れしました。
今までライオンキングとオペラ座の怪人をロンドンでは見に行きました。演出の豪華度は二つに比べると劣るけど、話自体が面白いのと演出がモダンアートぽく工夫が凝らされているので見応えはあります。値段面では、ライオンキングやオペラ座の怪人は60ポンド〜70ポンド、今回のThe Curious Incident Of The Dog In The Night-Timeは15ポンドとお得。ロンドンにいるうちに足繁く通いたです。
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