2015年11月10日火曜日

Emerge2015に参加して

先週末(11月8日)にOxford大学のMBAコースであるSaïd Business Schoolで開かれた社会起業家の集まり「Emerge2015」(http://emergeconference.co.uk/)に行ってきました。


2001年に建てられた校舎で、ガラス張りが基調のとっても綺麗な建物でした。Skoll Centre for Social Entrepreneurshipという研究所を兼ね備えており、社会起業家の育成に力を入れているようです。


2日間あった会議のうち2日目に行ってきました。1日目はチケット売り切れでした。社会起業家Competition、講演、セミナー、ワークショップが主な内容でした。営利と非営利、民と官、国内と国際、実践者と研究者等、様々なバックグラウンドの人々が一堂に会し、世界の広さを感じました。

書きたいことは沢山あるのですが、感じたことを3つ書きます。

○ テクノロジーとの距離が近く、とてもオープン
私が聞いた起業家のプレゼン全てにテクノロジーが駆使されていました。例えば途上国の医療環境をテレビ電話を用いて改善する、途上国の出生管理やシリア難民管理を指紋等を使って管理する、途上国の教育水準をタブレットを使ってあげる、オープンソースを駆使して3Dプリンターにおけるものづくりの効率性をあげる等。

日本だと、このような技術は大企業と連携して導入するイメージでしたが、プレゼンを聞く限りだと、チームメンバー内に必ずエンジニアがいて、彼らがプログラムを組み立てるみたいです。

この違いはどこから来るのでしょうか?思いつく理由としては、エンジニアが起業家マインドを持っている、エンジニアとアイディアマンである起業家の交流が多い、エンジニアの技術の応用力が高い、技術がもたらすことに対してとても前向き。

これからの海外生活をとおして考えたいポイントの一つだなと思いました。

○ 立場を超えてフラットな議論ができる
これはLSEでのイベントでも度々感じていたことですが、 講演後の議論がinteractive。相手の社会的地位が高い人であろうと、すごいプロフェッショナルであろうと、学生や一企業人が混ざって平等に議論します。立場によって作られる隔たりが非常に薄いと感じました。

これを可能にしている背景は何だろうかとよく思うのですが、まずは英語という言語のフラットさは絶対影響している気がします。英語には丁寧な言い方はありますが、日本語のような尊敬語や謙譲語はありません。フラットな立場で話しやすい言語です。

あとは好奇心を育てること、探求することにとてもポジティブな教育がなされているように感じます。日本だと、周りからの見られ方や周囲にかける迷惑さを考えてしまい、思ったことを一旦自分で噛み砕いてから、発言する傾向があると思いますが、こちらの人は好奇心を外に出して、それを周りと一緒に深堀していくことに慣れています。それは自分の好奇心は周りの人へのポジティブな影響を与えるという暗黙の土壌があるのだと思います。

○ 素敵な女性リーダーが多い
自分が前職東北にいたから余計に思ってしまうのかもしれないのですが、女性スピーカーが半数以上いました。「社会分野」ということも関係しているのかもしれません。情に訴えるだけではなく、きちんと裏付けのデータや知識を用いて堂々と主張を展開していて「プロフェッショナル」になるとはこういうことだなとしみじみ感じました。

自分の中に「女性は男性に比べて社会的地位が低い」という観念があるから、こういうところが印象に残るのだと思いつましたが、こういう環境に身をおけることを幸せに感じました。女性でもこういうところで活躍できるのだと実感できることは今後の自分の道を考えるにあたり大きな影響があると思います。

○ 自分への備忘録として他に感じたこと
・インパクトインベストメントについてもっと知りたい
・仕事がない=自分を紹介する時の後ろ盾がない。
・自分の何を紹介して相手に興味を持ってもらうのか。
・自分は何のプロフェッショナルになりたいのか。



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