2016年8月24日水曜日

価値観の違いをどう受け止めるか

少し前にSandyと話したこと。

彼女はプロジェクトで女性に話を聞くことが多いのですが、10代でお母さんになっている女性に会ったそう。

インドの合法の結婚できる年齢は18歳ですが、田舎だと実質無視は多いみたいで10代半ばで嫁ぎ子供を産む女性もいます。

彼女が会った女性は特に不幸そうではなかったけれど、彼女の中で「かわいそう」という感情が湧いてきてしまい、どう反応すればいいのか、自分が思っていることを伝えるべきか、迷ってしまったと話してくれました。

実は私も似ている状況を経験しました。プロジェクトのリサーチ時に、そこで働いている21歳の男性と彼の結婚の話になりました。

インドは「結婚」という概念において、見知らぬ2人が夫婦になるという事実よりも相手側の家族と親族になるという事実の方が大きく意識されている気がします。

彼の結婚相手は父親が決めた女性で結婚式当日に顔を合わせるとのこと。どうやら相手の父親と彼の父親の仲が良いらしく決まったらしい。しかも結婚式当日は両親や親族のみが話すらしい。当の本人たちはいわゆる「飾り物」。

彼は将来の奥さんの写真も見せてくれました。連絡もとっていないらしく1次情報は何もなし。彼女のルックスが「Cool」でないと話してました笑。

「それであなたはいいの?」と聞いたら「Yes」だと即答。理由は「自分が信頼している父親が決めたことだから」でした。

私とは違うロジックや価値観があるのだなと実感した瞬間でした。あくまで推測ですが、家族の意識が強いからこそ結婚は当事者二人だけのものではないから両親の意思も尊重されること。そして年配や両親を敬う文化が根強くあるということ。

一瞬「かわいそう」という感情を自分の中に自覚した時に、私は自然と自分の価値観で物事を判断しているなとふと気づきました。

これって「かわいそう」なのかな?彼らの価値観が肯定されていて、彼らが不幸と感じないのであればそれは「価値観の違い」だと思ったのです。

だから私は私的な感情を入れないように気をつけて日本の結婚がどう違うか事実を話すにとどめました。そこで優劣をつけることは非常にナンセンスだと感じたからです。

彼は羨ましいという素振りも見せることなく淡々ときいていました。そんな彼を見て私は「かわいそう」だと思わなくて良かったと感じたのです。

その一方で難しいと思ったのは、「倫理に反した違い」と「価値観による違い」の見極め。たとえば10代半ばで見知らぬ男性に嫁がされ子供を産むこと。これは「価値観の違い」では片付けられない気がします。なぜなら身体の構造上子供を産む機能が十分発達していないから。


「倫理に反した違い」と「価値観による違い」の絶対的基準は存在するのでしょうか。

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