2016年7月12日火曜日

環境や境遇の違いからくる貧困

今日はNatural Resource ManagementのCSR活動を見てきました。

1 Drinking Water and sanitation
2 Water conservation
3 Agriculture and Animal Livelihood
4 Infrastructure and Rural Energy

大きくは上記4つに分かれていますが、今日は全ての要素が少しずつ見れるように、Poshitraという村にTCSRDが作ったReservoir(貯水池)とFarm Pond(農業用の池)を見学に行きました。

基本的にGujarat州は半乾燥地帯や砂漠地帯なので雨が1年間に310mm~350mmです。これは日本の歴代最小降水量をほぼ同じ。なので農業をするにしてもMonsoon Seasonの6月〜9月しか作物を作れないのです。

よって灌漑によって長い期間農業を出来るようにとReservoirと1農家の1つのFarm Pondをつくったとのこと。基本的にMonsoon Seasonに降った雨を貯めておくということです。Community Participation(Responsibilityをあげるためにも)を進めるために、初期投資の15%は農家に負担してもらい、工事の労力として農閑期の農家を動員した(賃金も払える)と話していました。

農家の皆さんと


Reservoir


Farm Pond


Monsoon Season前の土壌

半乾燥地帯の畑を初めてみました。表土が固くてとにかく乾燥しています。確かに作物育たなそう。LSEで読んだ論文(Jeffrey Sachs)の中に貧困の一つの要因は地理的条件であるという主張があったけど、今回現場に来て心から納得。こんなところで灌漑をしてまで農業をするのが本当に得策なのか、農業を進めた先に豊かさはあるのだろうかと考えてしまいます。ただこのあたりは、インドの中心部から離れ人口も少ないので基本的には地産地消で成り立っていることを考えると、農業は必須の産業であり食いぶちに困るということはないのかもしれません(自分の食べ物も確保できるし)。

あとショックだったのはお話を聞かせてくれた農家のお嬢さん2人にお会いした時です。朝から晩までずっと農場で働いていると話してくれました。おそらく同じ年ぐらいかと思うのですが、ぼろぼろの洋服をきていて日焼けで肌はぼろぼろ髪はボサボサ、目の色素も薄くなっていました。握手をした手もかさかさで分厚かったです。私がそのお嬢さんだったら「私」みたいな人に会うのも自分が惨めに思えて嫌かもしれないなぁとか思うと、何だかいてもたってもいられなく悲しくなってしまいました。正直かける言葉も見つからず、質問すらも何を聞いたらいいのかわからず御礼だけ言って別れました。

私がたまたま今の様な状況におかれているのも偶然日本という国の普通の家庭に生まれたからで、彼女達がそういう貧しい状況にいるのも偶然その家に生まれたからで、どうしようもないことなのだろうか、それともどうにかできることなのか。そのための打ち手が今回のような灌漑で農家の収入をあげることなのだろうか(灌漑のおかげで収入は2倍になったらしい)。でも、その延長上で彼女達の人生が変わることも想像しにくいなと正直思ってしまいました。

インドにいると自分と境遇が違いすぎる人にたくさん会い、自分の境遇と自分ができることを考えさせられます。 

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